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ゆれた、『ゆれる』

西川美和監督・脚本の『ゆれる』(2006年)をDVDで観ました。Yureru

山梨で家業のガソリンスタンドを継ぎ、勤勉で
真面目な性格の兄・稔(香川照之)。
東京へ出て、カメラマンとして成功した、枠に
とらわれない自由な性格の弟・猛(オダギリジョー)。

裁判にかけられた稔の公判が進むにつれ、兄弟の感情はもつれ、
2人の心境にそれぞれの変化が現れます。

すべてを奪われた、兄・稔。
すべてを奪った、弟・猛。

兄弟愛や絆について考えさせられる映画です。

あらすじ 
<母の一周忌法要の翌日、稔と猛、そして2人の幼なじみで今は
稔のガソリンスタンドで働く智恵子(真木よう子)が渓谷へ出かけます。
つり橋の上から、智恵子は転落死してしまいます。
すぐそばにいたのは兄の稔。偶然目撃したのは、弟の猛。
彼女の死は事故だったのか、それとも殺人だったのか。
公判が進む中で、意外な展開を迎えることになるのです。>

つり橋の上で何があったのか、真実はどうなっているのかは観る側
に任された物語になっています。

約120分の間に、心境や物事の「ゆれる」シーンを織り込みながら、
全体的に抑揚を抑えたストーリーになっています。
私は、香川照之の役は振り幅の大きな振り子のようなものだったと
思います。
演技力に感嘆をもらしました。オダギリジョーもいいんだ~、これが。

ラストシーン。7年後、出所した稔がバス停でバスに乗る直前、必死で
探していた猛が反対側の歩道から「兄ちゃん!」と叫んだとき…。
胸にぐっとくるものがありました。

しかし、稔が微笑むシーンで暗幕となります。
その後、2人は何を話したのか、一緒に住むことになったのかは
わかりません。
ただ一筋の光が差し込んだような温かい気持ちになって、
私は救われた気がしました。

約120分間、ゆれていたのは、私の方でした。

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